『硫黄島からの手紙』(C.イーストウッド)★★★★
イーストウッドの作品に通定しているある種の諦念が、作品のテーマと噛み合い、セピア調の画面に奥行きを与えている。ここには映画しかなく、ラストの横たわる二宮の横顔に全てが饒舌に語られている。
『 主人の蝋燭を節約するためにすべてを暗闇の中で行うこと』(ダニエル・シュミット)★★★★
シュミットの処女作であるが、才能ある監督(芸術家)にふさわしく、その後に変奏されるすべての意匠の原点が見事に語られている。しかし、「これは果たしてドキュメンタリーなのだろうか?」などと問う事は、無論意味のないことである。